移行措置から大量に出題 ~公立校入試分析~

移行措置から大量に出題 ~公立校入試分析~

移行措置2年目。理科・数学とも全国2位の配点

移行措置は2009年からスタートした新学習指導要領の前倒し分。

学校で付加されている「移行措置補助教材」の内容は、移行措置実施2年目の今春の入試で、全国的に数多くの都道府県で出題されました。

そこで、2001年入試を振り返り、理科と数学の移行措置内容の出題状況を見てみましょう。


理科

中学3年の移行措置の内容4項目、イオン、遺伝、仕事、月、について、少なくとも1題以上出題した県は47都道府県中44県。全体の94%にも達します。

one 項目別に出題県数をみると (全て47都道府県中)

1. 水溶液とイオン 32県

2. 仕事とエネルギー 25県

3. 遺伝の規則性と遺伝子 24県

4. 月の運動と見え方 13県


two 都道府県別の配点割合をみると

1. 福岡県 出題割合31.7% 移行措置内容配点19点/60点

2. 埼玉県       30%              30点/100点

3. 神奈川県      26%              13点/50点

4. 秋田県       24%              24点/100点

4. 岐阜県       24%              24点/100点

埼玉県では「水溶液とイオン」 「仕事とエネルギー」 「遺伝の規則性と遺伝子」 が出題されていました。

→ 入試問題  → 解答     → 解説


数学

中3で付加された5項目、解の公式、いろいろな事象と関数、標本調査、円周率の定理の逆、相似比と面積比・体積比、を見てみます。

47都道府県中、上の5項目について少なくとも1題以上出題した県は、全体の74%に及ぶ35県です。

one 項目別に出題県数をみると (全て47都道府県中)

1. 解の公式 26県

2. 相似比と面積比・体積比 15県

3. 標本調査 12県

4. 円周率の定理の逆 11県

5. いろいろな事象と関数 6県


two  都道府県別の配点割合をみると

1. 千葉県 出題割合20% 移行措置内容配点20点/100点

2. 埼玉県       19%            19点/100点

3. 和歌山県      15%            15点/100点

4. 静岡県       14%            7点/50点

4. 石川県       14%            14点/100点

4. 高知県       14%            7点/50点

4. 大分県       14%            7点/50点

埼玉県では 「解の公式」 「円周率の定理の逆」 「相似比と面積比・体積比」 が出題されました。

→ 入試問題 前期  解答    入試問題 後期  解答

→ 解説 前期    解説 後期

 

three PISA型問題の増加傾向

まず、PISA調査とは、OECD(経済協力開発機構)による「学校で学習した教科内容の理解度や定着度をみるというよりも、子どもたちが将来社会に参加したり、生活したりしていく力をどの程度身に付けているか」をみる国際比較調査のこと。

調査される分野は主に「読解リテラシー(読解力)」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野です。

一時は日本の「読解力の低下」が叫ばれ、文部科学省は2005(平成17)年12月に「読解力向上プログラム」を発表し、PISA型読解力の育成に力を注ぐようになりました。

→ 最新PISA調査日本の結果

PISAという言葉が浸透し始めた今では、年々PISAを意識した問題が増加傾向にあります。

埼玉県でもこの春の入試問題・前期のアルミ缶リサイクルの問題などはその範中でしょう。

突出して難しい問題ではありませんが、問題文を見ると一見難しく感じるため 「なんだ、これ」 と焦ってしまった生徒さんも多いことでしょう。

問題文を読み取る力と、初めてみるパターンの問題でも冷静に対処する力が必要になります。


  

このようなことから、平成24年度入試は、理科・数学とも大きく出題内容が変化することが予想されます。

とりわけ理科については、1・2年の付加内容および中3内容のプラス内容が付加されるため、出題傾向そのものが大きく変化するのではないでしょうか。

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