日大、「統一テスト」の名称を廃止へ

日大、「統一テスト」の名称を廃止する方向

 日本大学の付属高校(以下、中等教育学校後期課程を含む)から大学への内部進学については、現在、「3年間の学習成績(評定)」と高3の11月に各付属高校で実施される「統一テスト」の成績で推薦されるA方式と、学部学科がそれぞれ独自に学習成績(評定)や特技・資格などの推薦基準を設けて、該当する生徒を高校側から推薦することで進学が決まるB方式が併用されていて、全体としてはA方式で進学を決める生徒が多くなっていますが、2013年度の高校入学生からA方式の内容が変更されることになりました。これに伴って長年実施されてきた「統一テスト」の名称もなくなります。

 2013年度入学生から実施される新・A方式では、高2・高3の4月に全学年の復習内容、高3の11月に高3までの内容の総合として「基礎学力到達度テスト」が実施され、この3回のテストの合計成績で推薦が決まる、というものです。高2と高3の4月のテストは各20%、高3の11月は60%の比重になります。

 このA方式の特徴は、従来高3まの秋に1回だったテストが各学年初頭(実際には新高1の4月にも実施される、とのことですが、こちらは大学進学には関係しません)にも実施される代わりに、日常の学習成績(評定)は原則として関係しなくなることです。この点については、今までもA方式での成績基準をクリアするだけでなく、その中からさらに選抜が行なわれる学部学科もあったため、完全に評定が関係なくなるかどうかは今後の各学部学科の成績基準の設定しだいの面はありますが、基本的には「評定よりも3回のテストで」という考え方です。

 A方式については、日大と各付属校間の「センター試験」のような役割を果たし、その「センター試験」の結果だけで進学が決まる学部学科もあれば、二次が実施される学部学科もある、というイメージです。また、A方式での日大合格内定者については、一部の学部学科を除いて、日大への入学の権利を持ったまま国公立大学であれば挑戦して構わない、という施策も実施されるとのことです。

 一方、B方式については、評定、資格、特技やクラブ活動の実績などで、学部学科の特色に合わせた推薦基準がそれぞれで定められていますので、基準が見直されることがあっても、制度の枠組み自体は変わりません。

A方式を「センター試験」に見立てるなら、B方式は「本来の意味での推薦」と考えることができます。