埼玉県中3生の進路希望調査第2回まとまる

埼玉県中3生の進路希望調査第2回がまとまりました

埼玉県教育委員会は1月12日、12月15日現在の県内中3生の進路希望調査結果を発表しました。

 まず、卒業予定者数は66,760名と、前年の64,635名より2,125名増、高校進学希望者は進学希望校未定者を除いて65,420名と前年の63,330名より2,120名増となっています。首都圏他都県同様、今度の入試は中3生の生徒数が多い年ですので、高校進学希望者も増えています。

※率については四捨五入していますので、引き算した結果と合わないところがあります。

高校進学希望者の内訳を見てみますと、全日制高校進学希望者は62,297名で前年より2,024名増、県内全日制公立高校進学希望者は47,565名と前年より1,346名増でした。進学希望率は全日制公立高校が0.3%減、県内私立高校は0.4%増となっています。

10月の1回目の調査でも全日制公立高校希望者率は0.4%減少、私立高校進学希望率は0.4%増となっていましたので、傾向は変わっていません。ただ、埼玉県のこうした統計は、私立中と伊奈学園、市立浦和の内部進学生を含んでいるため、次からは推定内部進学者数を差し引き、実際の公立中+国立(埼玉大附属)の生徒たちの状況を推定してみます。

私立中と公立一貫を除いた推計

今年度は震災の関係で、学校基本調査は執筆時点では学校基本調査が速報値しか出ていませんが、それによると私立中3生徒数は昨年度よりも1割多い3,014名です。これに伊奈学園と市立浦和の内部進学生を各80名として、合計で3,174名を全体の中3生数から引いて計算しなおしたのが上の表です。

埼玉大を含む公立中3生の中で、全日制の公立高校希望率は75.3%、県内私立高校希望率は7.4%で、昨年度と変わっていません。前ページの表では私立志向が上がり、公立志向が下がったように見えますが、私立中生の増加が原因ですので、公立中3生の志向は変わっていないことになります。(なお、今回の進路希望調査では内部進学希望が伊奈学園で76名、市立浦和で80名となっていて、伊奈学園では内部進学を希望しない生徒が出ているようですが、ここでは在籍数基準で80名として取り扱います)

グラフは私立中と公立一貫を除いた推計での卒業予定者数、全日制高校希望者数、全日制公立希望者数の推移です。卒業年度ではなく受験年度で表記しました。2010年度入試は久々に受験生が多い年でしたが、それ以外は安定していて小さな増減です。その中でも12年度は受験生が多い年であることがわかります。受験生の増加に対応して全日制高校への希望、全日制公立高校への希望も増えていますが、大きな増加ではありません。そこで希望率の推移をグラフにしてみました。上の表で全日制公立の希望率、県内私立高校の希望率が変わっていない、と書きましたが、この点を推移で見ていきます。

2010年度入試に向けて上昇を続けていた公立希望率は、11年度は下がって今回は前年同様となっています。また、11年度に大きく上がった県内私立希望も、今回も前年の水準を維持しました。10年度までと11年度で傾向が変わったのは、私立高校に公立と同額の就学支援金制度が新設され、さらに各都道府県で独自の上乗せが実施されたからで、特に埼玉県は低所得層に手厚い制度になっているため、私立志向が高まったものです。私立に対する認識が改まったことが「全日制公立希望の低下、県内私立希望の増加」につながったのでしょう。この制度は県外私立には適用されないため(国の支給分は出る)、県外私立希望率は下がったままです。
 埼玉県では2012年度から公立高校入試が前後期一本化されます。前後期一本化で安全志向が高まり、希望動向に変化が現れる、という見方もありましたが、今回の調査結果では影響は出ていないようです。

学科別希望状況

次に、全日制公立高校の学科別希望状況です。専門学科計には、その下の工業・農業・家庭・商業系だけでなく、芸術・体育・看護・福祉や外国語・理数など、普通科系の専門学科も含みます。普通科は希望倍率が下がり、工業や家庭、総合学科の倍率が上がっています。新聞報道等では「手に職を」の志向が強まった、といった論調も見られますが、専門学科の卒業生でも即就職ではなく専門学校や大学に進学する生徒が増えてきた現在、「手に職」というよりも学科に対する興味関心や入り易さを求めた選択の方が強いと思われます。


人気の高い学校・課程

次の表は、希望倍率1.5倍以上の学校・課程です。まず普通科ですが、前年の22校から16校に減っています。前年トップの市立川越は今回は2位で、前年2位の市立浦和がトップとなりました。この他、前年16位の市立川口、17位の市立浦和南、14位の浦和西がそれぞれ8位、6位、10位に上がるなどの変化はありますが、今回1.5倍以上となった学校はすべて前年も1.5倍以上で、前年1.5倍以上なのに今回1.5倍以上にならなかった各校も、鳩ヶ谷を除いて倍率水準が高めで、今年も人気校が固定化しています。

専門系では今回も前年度も20校・課程が1.5倍以上でした。今年も大宮・理数がダントツのトップです。普通科に比べて募集定員が小さいケースが多く、少々の希望者の増減でも倍率が大きく変化しますが、それでもトップの大宮・理数や、2位の常盤・看護、3位の川越工業・建築など、過半数の11校・課程が前年も1.5倍を超えていて、やはり人気校の固定化傾向が見られます。

なお、前年に比べ、比較的倍率が大きく上がっているのは、大宮光陵・外国語、同・書道、栗橋北彩・普通、鴻巣・普通、越ケ谷・普通、児玉・普通、同・体育、庄和・普通、草加・普通、飯能南・普通、吉川・普通、和光国際・普通、市立浦和・普通、市立大宮北・普通、川越総合、進修館・総合、誠和福祉・総合、和光国際・外国語、春日部東・人文、大宮・理数、松山・理数、芸術総合・映像芸術、熊谷農業・生物生産技術、浦和工業・設備システム、大宮工業・機械、同・建築、春日部工業・建築、川口工業・機械、川越工業・建築、同・電気、川越工業・化学、久喜工業・工業化学、熊谷工業・電気、同・建築、同・機械、同・情報技術、岩槻商業・情報処理、浦和商業・情報処理、羽生実業・商業、皆野、八潮南・商業、鴻巣女子・保育、同・家政科学、越谷総合技術・食物調理、新座総合技術・デザイン、同・服飾デザイン、秩父農工科学・機械、同・ライフデザイン、同・フードデザインです。

私立高校

私立で併設中がないグループでは本庄第一、栄北、狭山ヶ丘、山村学園、武南、昌平(内部進学は2013年度から)、細田学園の希望者増が目立ちます。栄北、狭山ヶ丘、昌平、細田学園、本庄第一は10月の調査のときも伸びていましたので、人気が上がっていると見てまちがいないでしょう。また、併設中があるグループでは埼玉栄、開智、本庄東が内部進学生増加を考えても、公立中からの希望者がかなり増加していると判断できます。もう来週に迫った入試の最終的な志願者数が注目されますね。