埼玉県私立中入試の出願状況

埼玉県私立中入試の出願状況

埼玉県では1月10日から中学入試がスタートします。そこで各校の昨年中の出願状況をまとめてみましょう。

まず概況です。埼玉県内私立中24校(2012年度新設の西武台新座を除く)の2011年度入試の最終出願者数は総計約45,300件でしたが、12月末段階での出願者数は西武台新座を含め約28,600件となっています。

県内私立中のうち、立教新座、浦和明の星女子、浦和ルーテル学院、秀明(一般入試)は1月に入ってからの出願開始、また、昨年中から出願を受け付けている各校の中で自由の森学園、秀明(AO入試、既に終了)、西武文理、聖望学園、本庄東高附属は未公表ですので、西武台新座と受付開始前を除く公表校の前年比較で見れば、2011年度最終約35,800件に対し、2012年度入試はここまでに約28,200件の出願が済んでいます。西武台新座を含めると上記のように約28,600件ですので、どちらにせよ8割弱の水準です。

毎年多くの出願者がある立教新座と浦和明の星女子が受付前であること、公表校でも12月29日現在の学校がある一方で12月21日現在の学校もあるところから、最終的に前年を上回る出願者数になるかどうかはまだ何とも言えませんが、少なくとも前年に近い水準には達すると見て間違いなさそうです。2012年度入試は3大模試の受験者数減から、「受験生大幅減」「中学受験の縮小」などが言われていますが、埼玉県私立中学各校については「前年並み」か、減ったとしても、首都圏の小6生徒数が約2,000名2011年度の受験より少ないので、その減少分程度の小幅に収まりそうです。

学校ごとでは人気の上下も

ただ、学校ごとでは人気の上下が出ています。昨年末の時点で既に前年度の最終出願者数を超えているのは城北埼玉2回、開智・一貫2回男子を除く一貫・先端男女全回、開智未来3回男子、栄東A男女です。

また、前年度の最終出願者数は超えていないものの、前年対比85%を超える出願件数で、このペースで行けば前年を上回る公算が高いのは城北埼玉1回、大妻嵐山セレクト・理数アドバンス・一般3回、浦和実業4回男女、開智一貫2回男子、開智未来1回男子・2回男子・3回女子・4回男子、栄東B男子・東大選抜Ⅰ・Ⅱとなっています。特定の学校に集中していることがわかりますね。

目立つのは開智の増加で大人気です。やはり2011年度に東大合格実績が大きく伸びたことが理由でしょう。開智未来は男子が好調ですが、開智との併願者が多いのでしょう。開智に少し自信のない受験生が開智未来も併願しているためと思われます。男子の併願が多く、女子が多くないのは立地(受験生が多い県南部から遠い)が原因かもしれません。

 栄東は開智と並んで県内私立トップの進学校ですが、開智と違って全回で前年度を上回った、上回りそうだ、というわけではありません。受験料の仕組みの違いが理由と思われます。栄東は2回まで2万円、その後は追加1回につき1万円なので、1月10日のAと11日の東大Ⅰを出願し、不合格ならその時点で追加出願を考えている受験生が多いと思われます。それに対して開智では3回までが2万円、4回が2万5千円、開智未来併願は一律3万円となっていて、開智未来の併願を考える受験生は、早い日程の1月10日~12日に両校をどちらか1回でも受けようと出願すると自動的に3万円になり、あとは「合格するまで受け放題」になります。また、開智未来の併願を考えない受験生は2万円払えば1月15日の一般2回まで受験可能、ここまでに合格が決まらなかった場合は追加の5千円で23日の先端Bが受験できますから、年内の出願時に多くの回に○をつけて出願している受験生が多いと思われます。このため、栄東はAと東大Ⅰの不合格者が多いと、合格発表後からB・C・東大Ⅱの出願が急速に増える可能性があります。今度の入試では東大選抜の募集定員を40名から80名に増やしていますが、A・東大Ⅰのここまでの出願状況を見ると、B・C・東大Ⅱも最終的に昨年並みか、上回る出願者数になる可能性もありますので、注意した方が良いでしょう。

 この他、城北埼玉は2011年度が志願者を減らしていますので、その反動が大きいと思われます。大妻嵐山は早い日程の一般入試に比べ、理数アドバンスやセレクトが好調ですが、こちらに受験生が流れているようです。どちらも志望順位の高い受験生が多いと思われます。また、浦和実業は4回の出願が好調ですが、昨年度の2月5日実施から1月26日に前倒しにしたためでしょう。同校には失礼ですが、同校は都内の文京区や台東区、荒川区などからは1番早めに受験できて、しかも一番都内から時間がかからない学校ですから、併願前提の都内中央部~東部在住の受験生の出願がまだ増える可能性が十分あります。

その他の各校・入試は、昨年中の出願件数が前年対比7割台、6割台といった入試が多く、年明けの出願者がかなり多くないと2011年度の出願者数に届かなくなりそうです。

 最後に新設の西武台新座です。各回男女合計418名の出願数で、昨年度新設の開智未来の1,600名余りには届いていませんが、上記の浦和実業で触れたように、併願前提の都内の受験生の出願はまだ動くと思われますから、武蔵野線経由の多摩地区の受験生が1月校として同校を選ぶ動きが強まると、大きく増える可能性はあります。一昨年の昌平が最終的に出願者数530名でしたので、それに近い水準には届きそうです。あるいは、もう少し増えるかもしれません。