2012年 中学校の教科書はこんなに変わる!

2012年 中学校の教科書はこんなに変わる!

中学校教科書改訂の概要

小学校では2011年から教科書が大幅に刷新されましたが、中学校でも2012年から教科書が改訂されます。

移行措置期間には、理数系の教科が新しい内容を取り込みましたが、教科書が完全に切り替わる2012年度からはその他の教科でも刷新された内容での学習がスタートします。

【授業時間数】

中学校3年間の総授業時間数は、現行2,940時間→改訂3,045時間に。105コマ3.6%UPしています。

実は主要5教科だけ見ると1,565→1,925と23%も増加。

中でも中3の授業時間数は1.4倍とダントツに増えています。(中1:1.1倍、中2:1.2倍)

これだけの授業時間をしっかり確保する必要がある程、中3での学習内容は大幅に増えるということです。

中3での学習負荷が最も高まり、中1~中2の復習にあてる時間の確保が難しくなるため、中3になる前に中1中2内容を確実にしておく必要があります。


【教科書の分量】

どの教科も今回の改訂で大幅にページ数が増えて約1.3倍になっています。

特に2002年の「ゆとり教育」が全面的に取り入れられた頃と比べると平均1.5倍のページ増です。


【教科書内の問題数】

量だけでなく、学習内容も濃くなりました。

目安となるのが教科書に掲載された練習問題の数です。

練習問題が増えたのは、学習の定着度を高めようという狙いがあるからです。

ある教科書会社の数学と理科の3年間の練習問題数の変化を見てみると

数学2011年度2427問→2012年度3273問、846問の増加

理科2011年度352問→2012年度622問、270問の増加

と、それぞれ1.3倍、1.8倍の大幅増になっています。



●教科書内容の全てを学校の授業で学習するとは限らない●

「そんなに内容を増やして、本当に全部学校の授業でこなせるの?」とご心配な方もいらっしゃるでしょう。

文科省は教科書作りのルールを、これまでの上限規定(定められたこと以上載せるのはNG)から下限規定(定められたことさえ載っていればそれ以上のことを載せてもOK)へと変更しました。

そのため、教科書が自学自習や家庭学習のサポート、参考書化の傾向になると共に、学び残しのバラつきが出てくることは否めません。

●教科ごとの特徴は?●

現行 聞く 話す を目標としていた英語では、聞く 話す 読む 書く の4技能をバランスよく身につけることを目指しています。

英語だけでも難化の特徴は他にもありますし、さらに教科ごとにも解説が必要になりますので、今後この紙面でも引き続き解説を続けていく予定です。